事件その後


俺は暫く落ちていた。

自分が預かった店の寮での事件。頻繁に俺が見回りに行けば間違いなく防げたであろう事件。俺が殺したようなもんだ…。

しかし落ちたところでもうどうにもならない。結果は結果としてでている。今やるべき事は、傾いた経営を立て直して残った従業員の明日の飯を確保する事。

俺が退院するちょっと前に、新しい男子従業員が入った。こいつも昔うちの店からとんだ(いなくなった)奴なのだが、近くの街でキャッチの仕事をしてる際にうちの従業員に見つかり、連れ戻されたのだ。

事件があった部屋はとりあえず向こう二年はうちが借りるという事になってたのだが、なんとオーナーはその部屋を新しい従業員にあてがった。勿論彼には内緒にという指令をいただいた。

彼はホラー系全般が大の苦手なのだが、もしあの部屋で何があったか知ってしまったら大変だろうな、と思った。

そんなある日、彼(以下Y)が尋ねてきた。

「代表、あのですね。前にあの部屋に住んでた人はどういう人だったんですか?」

「な、なんでだ?(;゜д゜)」

「ロフトの上とかの至るところにですね、なんか銀色の粉とかが沢山ついてたりするんですよ。」

それは鑑識が調べた跡だよなんて口が裂けても言えない。

またそれから暫く経ったある日、Yが引き継ぎの時に店の鍵を渡し忘れやがった為に店を閉めることが出来なくて、何度電話しても出ない。深夜に渋々寮まで行ったんだが、チャイムは壊れているようで鳴らない。
ドアも叩いたが出てこない。

一階の角部屋だったから、横の窓をバシバシ叩いてみたが反応なし。しかし、窓の鍵は開いていた。

ガラガラっと開けて、まず反射的にロフトを見る。今は完全に物置として使ってるみたいだ。それでいい。

と、下に置いてあるベットに目を落とした。

Yは短髪だ。一番長くても三センチ位しかない。

Yしかいないベットに、


長髪の何かが


いる。

…………

…………

…………

なんか…………



いるよ……。


ヤバイ帰りたいどうしようでも鍵ないと店閉めれねぇ。



幽霊なんか信じちゃいねぇが、こんときゃもうただただ怖かった。

しかしブルッてても進まない。


「お、おい!」

と声をかけてみた。



長髪の何かが動いた。じーっとこっちを見てる。










こぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(´゜д゜`)







これが後にYの嫁となるTちゃんとの衝撃的な出会いだった。


長髪の何かは隣に寝ていたYを起こした。

向こうからしたら、起きたら窓に変なオッサンがスゲー顔して立ってたから大層驚いただろうが、こっちはそれどころじゃない。生きた心地がしなかった。
とりあえず鍵を返してもらい、勝手に寮に女の子を連れ込んでいた事を叱り飛ばした。やはり定期的に見に来ないとなと改めて思った。

そんなこんなで色々あったが、なんとか店もうまく回り始めたとこでまた事件が起きた。

ある晩、通院で休みだった俺にオーナーから電話。

「店(個室ヘルスの方)、パクられた。全員持ってかれた。」



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