子パンダが家にやってきた


これは俺と子パンダが一緒に住み始めた日のお話です。

その頃は月に何回か子パンダが我が家に泊まりに来るといった関係でした。

まだパンダが戸籍上では人妻だった頃、だんなの実家に預けている子パンダに会いに行っていたパンダが子パンダを連れて帰って来ました。

子パンダはその当時旦那の親が面倒を見ていたのですが、離婚の話でこじれて旦那の母ちゃんがヒステリーを起こして大暴れし始めたらしいんです。
んで、5歳児の目の前で

「お前ら出て行け!」


と叫ばれて二人とも追い出されたそうです。

「あのねぇ、あたち今日からこの家に住むことになっちゃったの」

まださ行がうまく言えなかった子パンダは俺にそう言っていました。

いきなりの事になんだか頭がさっぱりついていきませんでしたが、子パンダとの同居は病気で子供が作れない体の俺はかねてから夢にまで見たことだったし、かねてからパンダに

「娘は向こう(旦那)に取られちゃうと思う」

と聞かされていたのでほとんど諦めていたんです。
それが突然の同居。
嬉しいやらこの先どうしたもんかとか色々考えちゃってよくわからんっていうのが正直なところでした。

まず、パンダが夜の仕事を辞めるとなるから、収入が減ります。
今俺も仕事二つ掛け持ってるからこれ以上は増やせない。
色々削らなきゃいけないものが出てくるんだろうなぁ。
こりゃ暫くバイクいじりはお預けだね。フロントフォークのOHでやめておこう。

でもよくよく考えたらバイクくらいしか今やってないし、そんなに削るもんもないんだよなぁ。
余り派手に遊んでないし。


次の日の朝、久々に子パンダと朝飯を食いました。

その時パンダの姉から電話がかかってきました。
子パンダが、

「あたちね、大きいバアバに怒られちゃって、これからこの家の世話になることになったの」

と武士みたいな会話をしてたのがとても印象的でした。
てか何処で覚えたんだ、この家の世話ってw


因みに、その大きいバアバがこの子に直接言った言葉。

「オマエなぁ!あたしが買ったもん持ってくんじゃねぇよ!全部置いていけ!靴もだよ!」

「オマエなんかなぁ、その女(パンダ)にどこにでも連れて行かれて、相手の男に色々やられちまえばいいんだよ!」

「今までオマエにかけた金、全部返せ!!」

生活の拠点が今までその家だったから、服も靴もおもちゃも全部その家にある。本当に靴下のままで追い出された。


僕虐待しない。


しんじゃえ。

5歳児だった子パンダは大きいバアバが本当に好きだったから、もの凄いショックを受けていました。

「あたちが悪い子だったからばあば怒ってたの?」

とか言う娘が不憫で不憫で仕方ありませんでした。
本当に可哀想だ。
これからは二度とそんな思いをしなくて済む様に育ててあげようと思う。
とりあえず色々買ってあげないとなぁ。
本当に何も持ってねぇんだもんなぁ。
ばあばもこいつの服とか持ってたって仕方ねぇだろうに。

でもそれでも子パンダはまだやっぱりバアバが好きなようでした。
だから娘の前ではバアバの悪口は言いませんでした。
あぁ、なんて不憫なんだ。かわいそ過ぎる。

俺も昔のことがあるから、どんなにひどい事をされても家族を嫌いになれない気持ちが痛いほどわかるんです。


それから暫くしてパンダは正式に離婚しました。

あの後向こうの家とは和解をして、子パンダは週末はばぁばの家で暮らす生活をしています。
犬やパソコンなど高価なものを沢山買い与えてしまう向こうの家に行くのは、やはり俺としてはあまり好ましい事ではないですが、でも子パンダにとっては大事なおばあちゃんですからね。
まだ暫くはこの生活が続きそうです。

とにかく、もう二度と子パンダの前でヒステリーは起こさないでほしいなぁ。




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