キリンが好きでした。


自分のバイクに誇りを持つのはとてもいいことだと思います。

俺このマシンは他のどんなマシンよか好きなんだぜ!ってのは当たり前の感情ですよ。大金出して買いますからね。
大金出さないで買ったバイクだって、自分の都合で買ってるんですよ。なんだかんだ言おうが、自分のバイクは世界一なんですよ。排気量が小さかろうが、ボロかろうがなんだろうが世界一なんですよ。



それをね、他人が安易に否定しちゃいかん。



俺にはひろけんという友達がおります。彼はGOOD SPEEDのはるか昔に組んだチームのメンバーでした。

これはまだチームじゃいなんじゃい組んでなくて、ただただ好きで毎晩首都高を走り回ってた頃の昔話です。

大人の書き方をすると、首都高はサーキットじゃありません。普通に走りましょう。





その日はいつも通り二〜三周流して、辰巳SAでおしっこしたりコーヒー飲んでたりしてたんですよ。

そしたらね、隣にいたゼファー750RS乗ってる人(25、6歳位)がね、近くにいたZRX400乗ってる人にこう言ってたんですよ。因みにZRX乗ってるのがひろけんです。この時初めて会った。

750RS
「結構お金かけてるねぇ」

ひろけん
「はい、ありがとうございます。バイト代の結晶ですよ」

750RS
「でも所詮は400だからね。そんなのいじくってても意味ないよ。先がないからね」

ひろけん
「え…(絶句)」

750RS
「400どんなにいじくってても無駄だって言ってるの。所詮400なんだから(笑)」



はいぼくちゃん我慢できませんでしたって事でこっから乱入。




「いやいやいや、本人好きでこのバイク乗ってんでしょうし、別によくないですか?」

750RS
「でもさぁ、400いじくっても俺らのバイクに勝てる訳ないじゃん」


「勝つってのはスピードとかのことですか?別に皆が皆速さで競いたい為にバイク乗ってる訳じゃないでしょ」

750RS
「それは勝てない人の言い訳にしか聞こえないなぁ。君のも400だよね?」


「はい」

750RS
「そういうのに金かけるより早く免許取っておっきいの買いなよ。400は所詮400だって。400同士のバトルなんか次元低いから」


「でも俺はコイツで充分楽しいんですよね。そんなこと言ったらそれ(750RS)だって同じ大型のR1とかには勝てないわけじゃないですか」

750RS
「R1なんかと比べんなっつうの(笑)あんなのと比べられてもねぇ」


「なんでですか?」

750RS
「なんでって、別物じゃん」


「いやいやいや(笑)じゃあ750RSとZRX400だって別物じゃないんですか?」

750RS
「あぁ、もう、わかったわかった。じゃあ好きなの乗ってればいいじゃん。今に限界わかるからさ」



まぁ俺知ってる人ならわかると思いますが、こんな事言う人間にいつまでも俺が敬語使って話す訳も無い訳で。ニコニコヘラヘラしてる訳も無い訳で。

まぁこっからはゴニョゴニョエイヤコラサありましたんですが、細かいとこは大人なんで都合悪いんで省きますが、とにかく人が集まってきて騒ぎが大きくなりました。騒ぎを大きくしたのは勿論俺様です(笑)

で、当然の様にじゃあお宅のその750RS様がどんだけ速いか見せてみろよって事になる訳じゃないですか。

で、バトルですよ。ザンザス400対ゼファー750RS。まぁなんで俺がそいつとバトらなきゃいけなかったのか今考えるとおかしい(笑)ひろけんやれよな。

辰巳SAスタート〜銀座経由〜レインボーブリッジ〜辰巳SAゴールで。終盤かなりの直線あるから不利かなぁとは思ったんですが、それでもこの排気量差で首都高で勝ち目があるのはこのコースしかないんですよ。レインボーブリッジ渡りきった左折の時点で10秒位のアドバンテージがあれば、多分勝てる。

因みに750RSはその辺の400よか確かに速いんです。排気量だって二倍近くあるし。ただオイラのザンザスだって400ccながらエンジン内も手入れてて、最高速は200キロオーバーもイケるなかなかの戦闘機でした。今でも自信過剰野郎ですが、当時は若さもあってもっと自信過剰野郎でしたから、ぶっちゃけ一ミリも負ける気しなかった。

首都高の面白いとこは、コーナリングプラス一般車のパスの仕方によって、普通のサーキットや山じゃありえない戦い方ができるとこです。そして、転けたら最後ってとこも首都高のもう一つの魅力でもありました。

当時若かった俺は、死ぬかもしれないギリギリのスリルが楽しいと思えていたんです。失うモンなんかなんもないとか言いながらね。親も兄弟もいるのに。
人の迷惑も省みず、全くただの暴走族でした。

実際その後作ったチームで、メンバーの事故死を経験して皆がバラバラになるまで、危険と楽しさの分別をつけられないただの馬鹿でした。

話を元に戻すと、勝負はあっけないもんでした。銀座まではなかなか楽しかったんですが、銀座のトンネルで車をパスできなかった750RSはレインボーブリッジに入る頃にはもうミラーでは確認出来ませんでした。俺はレインボーブリッジをお尻ズルズルのフルバンクで駆け降りて、フルスロットルで辰巳を目指しました。

辰巳に俺が帰ってきて、20秒後位に750RSは辰巳をクオーンとかいい音出しながら、辰巳に入ってくることもなく素通りして去っていきました。あいつ逃げた。言いたいこと沢山あったのになぁ。

20秒って言ったら大して差がないように思いますが、実際はかなりの大差です。
その後二度と彼に会うことはなかった。



ひろけんはその瞬間から年上ながら俺の忠実な手下になりました(笑)あいつ泣いてましたからね。



バイクに対する楽しみ方は沢山あります。ただひたすらスピードを求めたり、音を求めたり、景色や風を楽しんだり、バイクによってできる繋がりを楽しんだり。人それぞれですよ。そして、楽しむ為に自分で選んだバイクはやっぱ、イチバンなんですよ。

だからバイク乗りはバイク乗りのバイクを馬鹿にしちゃいかんのです。

色々とゆるーい我らがバイクチーム、GOOD SPEEDの唯一の規則は人のバイクを見下さないこと。そんな人とは一緒に時間を共有したくない。

大抵のバイク乗りは自分を誉められるより、自分のバイクを誉められた方が嬉しい。でもその逆もあるんです。

俺のバイクは最高だぜ!でも君のバイクもいいね!

それでいいじゃない。けなす必要なんかないじゃない。

見下すような奴は仲良くしてあげないんだから。



因みに、確かに速さや加速を求めるなら小さいバイクに金かけるよりは大きいのに変えた方が効率はいいです。

ただ、自分のキャパで操りきれない速度域が楽しいかどうかですよ。限界を超えたら疲れるだけだと思います。あぶねーしね。

大きければいいってもんじゃねぇなって、くじら乗ってみて思いましたよ。後ろのタイヤでかすぎて、轍とかで普通のバイクよりバランス崩しやすい。

ベガスでV-RODまたがったらむちゃくちゃスリムだった。フォアコン乗りづらいとか思ったけど、くじらに比べりゃなんて乗りやすい事か。

まぁでもくじらにもだいぶ慣れてきました。早くツーリング三昧したいなぁ。

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