また部下が
逮捕されちゃった。



「はぁ?なんで。」

「わかんねーけど男子従業員達と女の子たち引っ張られたって。」

「亀○(の店)は?」

「まだあけてる」

「駄目です。同時ガサじゃないから大丈夫かもだけど、念の為早く閉めて従業員別の場所に集めてミーティングしましょう。」

「わかった。場所は?」

「大○田デニで。ユニ○ロんとこ。」





いきなりのガサ入れ。

容疑は、俺が入院中に、雇用の際に偽造保険証を持ってきた16歳の未成年を、【大人の店】である我が店の従業員が雇ってしまったんですが、そいつが辞めて暫くして、ガキらしく万引きでとっ捕まった際にうちで働いていたのをゲロっちゃったらしいんですよ。

で当時店を回してた二人を容疑者として逮捕したんです。
しかしそれは後から聞かされた話で、その日は確か違法風俗店としてのガサだと聞かされてました。

しかし、俺とオーナーはたまたま店に居なかったのでその日に現行犯として捕まる事はありませんでした。

従業員は逮捕されても俺達の名前は出さないように教育されていましたので、今日はとりあえず捕まらない。

ガサから5時間後位に女の子達が釈放されてきたので、聞かれたこと、何目的でのガサかを聞いて、誰を捜してたか聞くと
やはり俺とオーナーでした。

未成年の子は勿論俺達の事は話していたようです。

男子従業員はまだ留置場。
おそらく20日は打たれるでしょう。

だとすると俺の方に来るのも時間の問題だなぁ。
何より捕まった従業員がポロッといらん事言うかが不安だったので、即弁護士を雇い従業員に口止めをしました。

付き合っていた彼女にその事を告げ、巻き込まないようにとこちらから別れを切り出し、家に帰りまだ産まれたばっかりだった前妻との子と姉と一緒に寝ました。下手したら暫く逢えなくなりそうなので、眠れませんでした。

そして朝5時、寝ている娘達を当時の妻に託し、お泊まりセットを持って警察署へ向かいました。

途中ガサが入った店に立ち寄りました。ボロクソに荒らされた店内でソファーに一人座り、家から持ってきた缶ギネスを1本呑んで頭をクリアに。

苦いな。

それから出頭しました。



受付で昨日捕まった女の子たちから聞いた刑事の名前を出して自分の名前を出すと、沢山のお出迎えがきました。


刑事
「今日行こうと思ってたんだよ。」


「あーじゃあ交通費損したなぁ(笑)」

刑事
「はっはっは。しかし君確かまだ若いよね?」


「23です。」

刑事
「エラく貫禄あるなぁ。じゃあちょっときてくれる?」

てな感じで和やかに取調室へ。

刑事
「この手の摘発であそこまで迅速に弁護士入れられたのは初めてだよ。こっちが一番捕まえたいのは君とオーナーなんだけどね。」

そりゃそうだろ。
しかしオーナーの名前は出さないのがこの世界のルールです。
前から捕まった時の事は想定していて、オーナー役約は今回捕まった奴の片割れということになってました。


「ん〜オーナーは(捕まった)○○ですし、俺は彼らのただの友達ですからねぇ。

刑事
「まぁそう答えるだろうな。」


「よくわかりませんが、これは預かっていたので持ってきました。」

と、未成年が面接の時に持ってきた偽造保険証のコピーを差し出しました。

刑事
「これ、本人が持ってきたの?」


「そう聞いてます。ご存知かどうかわかりませんが、その子の母親もその店で働いていて、娘は成人だって言っていたみたいでした。」

刑事
「それは昨日逮捕した奴らから聞いたよ…。娘を風俗店で働かせるっていう話、にわかには信じがたいんだが、本当に向こうの親が働かせてたっていうならまた話は変わってくるなぁ。」





結局俺は青少年保護条例に関しては入院中の為直接関与しておらずお咎めなし、風営法に対しても証拠不十分でお咎めなしでした。無罪。

捕まった連中も青少年保護条例に関しては無罪、風営法では略式起訴で一人罰金50万ずつ。
23日後位にTシャツとスウェットっていう芸人みたいな格好で帰ってきました(笑)

初めて皆で呑みに行った。今思えば、あの店で従業員で楽しんだ、最初で最後の夜だった。


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